は、最初のべべタイプの人形を制作してから約2年後、「Au Petit St,Thomas Stores」のギフトカタログに <Carrier-Belleuse Model/キャリエ・ベルーズモデル>を発表しました。ここで、<キャリエ・ベルーズモデル>は、"ユニーク"であると記されていました。子供を理想化し、感情を具体的に表現した他に類を見ない人形として評価されました。
この時期、人形の顔の作り手はそれぞれ才能を持った人たちでしたが名前は知られていませんでした。エミールは名のある彫刻家に人形の顔を作ってもらおうと計画します。そして彼の行き着いたのはこの時代もっともセレブな彫刻家、皇族のお気に入りであったAlbert-Ernest Carrier-Belleuseでした。
もちろんエミールはCarrier-Belleuseを訪ねていきました。
エミールは人形の顔は十分オリジナルであるよう、将来的にも他のモデルとは違う顔をと注文します。そして中性的で、女の子にも男の子にも見えるように表現して欲しいと頼みます。
Carrier-Belleuseはエミールの依頼にキング・ヘンリー4世をモデルにすることを考えつきます。
こうして、ベルサイユ宮殿の鏡の間に飾られたヘンリー4世(4歳時の)のポートレートをモデルにJumeau Tristeは制作されたのです。
<Carrier-Belleuse Model/キャリエ・ベルーズモデル>は、一般的にTriste/トリステと呼ばれています。Triste/トリステとは、<sad=悲しみ>と言う意味があります。
顔は憂いを秘めた独特の表情です。1879~1886年まで制作されました。
サイズは9~16号のみで、目は全て美しいヒューマンアイ、耳はアプライドイヤーです。
ヘッドマークはサイズナンバーのみ、チェックマークはありません。
ボディには"Jumeau Medailled'or"のスタンプがあります。