こんにちは! 寒さが厳しい日々が続いていますが、皆様お元気ですか? モナコは冬も比較的過ごしやすい毎日ですが、パリは先週雪が降り一気にマイナス気温になりました。年明けに私は、そんな寒い日が続くパリのオルセー美術館で開催されていたゴッホ展に行って来ました。(2024年2月4日迄)
『Van Gogh in Auvers- sur-Oise The Final Months オーヴェル-シュル-オワーズのゴッホ 最後の数ヶ月』と題されたこの大規模な展覧会は、彼がオーヴェル=シュル=オワーズに移り住んだ1890年5月20日から7月29日に自死する迄の約二ヶ月間に描かれた作品を観ることが出来ます。オルセー美術館で初めて展示される作品が多く大変賑わっているとの事だったので、長い時間待つのを覚悟で出掛けましたが、その日は約30分待ちで中に入ることが出来ました。
大勢の人々が絵の前で止まって動きませんが…最初の展示室は、抗うつ症状の治療を専門としていたガシュ医師を題材にした作品が有りました。ゴッホがパリから30キロほど離れた田園地帯の村、オーヴェル=シェル=オワーズに移り住んだのは、画商である弟と幼い甥の近くに住みガシュ医師の治療を受ける為でした。ガシェは患者であるゴッホと友人としても親しく付き合い、日曜日になると彼を昼食に招いていたとのことです。この展示室では、ゴッホが1890年に制作し1949年にオルセー美術館に寄贈された有名作品を含むガシェの肖像画やガシュの家や庭先の風景画など、ゴッホがガシュ医師と良い関係を築いていたのが良く伝わって来ました。
そして…ゴッホが死の直前に描いた、ダブルスクエアフォーマット(50×100)の風景画12点のうち11点が展示されているのは圧巻です!力強い色彩で美しいオーヴェルの田園風景を描いたこれらの大きな作品は、観る人々を惹きつけて離しません。花を描いた静物画、1人のモデルを違うタッチで幾つも描いた肖像画など、今までに見たことの無い数多くのゴッホの作品が並ぶ様子に感動しました。フランス国立図書館の館長で、今回の展覧会の共同キュレーターであるエマニュエル・コケリーは「滅多にない特別な展示」だとし、「このような形でこれらの絵を一覧できる機会は、今後長い間ないでしょう」と語っていました。
※2023年はゴッホ生誕170周年にあたり、アムステルダムのゴッホ美術館と共同で開催されました。