Porcelaine Royale de Sevres

1825ー1826年 シャルル10世期

ゴールドとロイヤルブルーの縁取りにフルーツや花々が描かれたロイヤルサービスプレート。一つ一つ丁寧に描かれたフルーツや花々は、お皿の上に置かれた本物の様です。この春、ベリー公爵夫人の持ち物としてオークションに出品されます。
(一枚約100万円〜)
 
※フランスで硬質の真性磁器が焼成されるようになったのは1767年リモージュの近郊でカオリンが発見されてからのことです。この発見によってリモージュにはレイノー、ベルナルド、アビランド等々が開窯しフランス磁器が開花したのです。
 
1756年 ルイ15世の愛人ポンパドール夫人の提案で王立御用達ヴァンセンヌ窯が、パリからベルサイユの眼下セーブルの地へ移されました。1759年にフランス王立セーブル製陶所となり国窯として2世紀半、今もフランスの文化と美を伝える優れた陶磁器を生み出し続けています。セーブルの功績は、国家的使命ともいえるフランス独自の意匠を確立し時代を反映した、完成度の高い芸術作品を作り続けてきたことにあります。
 
セーブルはその様式をうけつぎながらも、当代一流の化学者、画家、彫刻家、金工家の参加によって独自の世界を創造しました。「王者の青」「ローズ・ポンパドール」と呼ばれるセーブルの色、華美で鮮麗な装飾、独特の風合を持つソフトペーストなど、ヨーロッパ陶磁器界でも他の追随を許さないセーブル芸術が宮廷文化の中に華開いたのです。
 
こうしてセーブルは、当時ヨーロッパに君臨したベルサイユ宮殿を飾るにふさわしい豪奢にして繊細、華麗にして優美な陶磁器を製作しました。また時の王や王妃の日用品、贈り物にも用いられ、時代様式を色濃く反映して、まさに富と権力の象徴として発展していきます。
 
ロイヤルファミリーの為の陶磁器は、非常に限定的に生産され、世の人々の目に触れることはなく「希少な陶磁器」と呼ばれています。