フランスのレースは美しく豊かで、魅力的な歴史を持っています。その起源は16世紀に遡りますが、最初のレースの形態はイタリア、特にヴェネツィアで現れました。フランスでは、ルイ14世の下で芸術と製造業の大臣を務めたコルベールが、この工芸を導入し発展させる上で重要な役割を果たしました。彼はヴェネツィアからレース職人を招き、アランソン、ランス、オーリヤックなどのフランスのいくつかの都市に王立工場を設立しました。フランスのレースは何世紀にもわたり、シャンティレースやカレーレースなど、さまざまな技術やスタイルのレースが発展しました。
レースは贅沢と洗練の象徴となり、上流階級の特権となり貴族の衣服やアクセサリーに使用されました。画像のレースは、19世紀貴族のプリンセスのものと思われるイニシャルと王冠が入ったハンカチーフです。何層にも重なった繊細なレースがとても美しく、その見事な出来栄えが、正に当時の上流階級の持ち物だった事を物語っています。