ある夏の一日…ドールコレクターを尋ねてスイスのローザンヌという街に出掛けて行きました。フランスの田舎から車で2時間も走ればスイスに行けるので日帰りですが、フランスとスイスでは街の雰囲気も空気もちょっと違いが感じられます。スイスに入ると遠くにモンブラン山脈が見え、山々の壮大なスケールを感じます。この山並みを見る度に、ハイキングでいいから一度は行ってみた~い!と思うのは、きっと私だけでは無いでしょうね。そんな事を思いながら車から街の様子を見ていると、ととと、、、とつぜん!ルノワールの少女のポスターが目に飛び込んできました!え~! 展覧会か何かやってるの~? 見たい、みたいな~と、心の中で叫んでいたのですが(笑)、とりあえず先に用事を済ませないといけませんし、平常心を保ってぐっと我慢です。でも展覧会なら山へ行くより簡単に行けるはず…などと考え何とか時間を作ろうと。そして、お茶の時間もすっかり過ぎた頃、ローザンヌの高台にある「エルミタージュ財団美術館」へ行って来ました。
美術館の敷地から少し離れた場所に車を停めて歩きます。周りは大きな木々で太陽の光が遮られ、冷んやりした風を肌に感じながら進むと、良く手入れされた庭に、それはそれは、大きな背の高~いカシの木が、ド~ン!とあって、とっても印象的なエントランスです。
そしてジュモーの時代を思い起こすアンティークな部屋の中に進むと… あ…この光…この色彩…何とも言えないキラキラしたいくつもの淡い色の光が部屋の中で、クルクルと踊っている様な錯覚を覚えます。そう、私の目の前は19世紀。大好きなルノワール、セザンヌ、モネ、ゴッホからゴーギャンやロートレック、ピカソ、モデリアーニ! 忘れてはいけないのは、エドガー・ドガです。有名な小さなバレーリーナのブロンズ像の周りには、小さな天使や妖精がじゃれ合って遊んでいた様な…? 何度見ても素晴らしく、嬉しい驚きです。そして初めて観るドガの作品、髭のおじ様と子供(お人形のようにも見えます)が一緒に描かれているほのぼのした絵画は私の心を温めてくれる可愛らしい作品でした。時間を忘れてすっかり外が暗くなるまでお邪魔してしまいました!