フランシス・ベーコン / Francis Bacon
20世紀後半において世界で最も重要な人物画家
フランシス・ベーコン(1909年-1992年)はイギリス人画家。激しく大胆な筆致とグロテスクな表現の作品が多く、その解読は難解とされ見る人を困惑させます。
フ ランシス・ベーコンはアイルランドの豊かな家系で生まれましたが、アートに関係する人物は無く、彼は17歳の時に初めてピカソの絵画を見てインスパイアさ れたと言います。そして自分も絵を描いてみたいと思い始め、色々な職に就いた後にアートの世界へ入っていきます。アイルランド、ロンドンを移動して 1946年にはモナコに移ります。
1930年代にピカソの影響を受けた作品『磔』を発表、1940年代には幾何学的な構造のなかの孤独な 男性像、1950年代は『叫ぶ教皇』、1950年代後半は動物や孤独なポートレイトへと変遷していきます。1960年代からは、おもに友人や飲み仲間の ポートレイトなどで、作者自身が心の中に抱える、暗く抜け出すことの出来ない孤独感や恐怖感を描いています。
美しい色彩の綺麗な絵を観る のとは全く違うので戸惑いますが、この様な難解な作品は作家自身の生い立ちから、その生涯の物語を知ることによって理解する事が出来ます。何も知らず、た だ絵を眺める時とは違い、作者の内面を知る事で作品は更に観る人に語りかけてきます。きらびやかなアートの世界で活躍していた彼も、誰にも打ち明ける事が 出来ない心の叫びがあったという事が彼の作品を通して伝わってきます。
興味が無かった作家でも、その人の人生物語を紐解けば、作品はもっと生き生きし、観る人の心に残るのでは無いでしょうか。フランシス・ベーコンもそんな画家の一人です。