the little girl wrapped in a shawl with her doll
聖母のように跪きかすかに顔を傾けてこちらを見る…その柔らかい表情からは、描き手との心の通じ合いが感じ取れます。少女の身を包むコートと花柄のショールは、東洋的で日本の着物を思わせます。この時期ヨーロッパではジャポニズムが流行し、絵画のみならずアートの世界では東洋への関心が高まっていました。この絵画にもその時代の流行が読み取れます。少女の傍には小さな人形が置かれ、彼女が大人で無い事を教えてくれます。少女の笑顔から、描き手の子供か親戚か…近い存在で有る事も想像出来ます。ほぼ正方形の構図も素晴らしく、また絵を観る人にもその場の雰囲気と少女の気持ちが読み取れる、美しく心温まる作品です。
エミール・ベルナード(1868-1941)は、セザンヌやゴッホの友達でもありましたが、それにかかわらず、彼自身も又大変魅力的な画家で有りました。
1908年フランス絵画 オイルonキャンパス(122×121cm).