イタリア ルネッサンス期の芸術家 レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1419年)は、史上最高の芸術家として現代でも有名です。彼の名前を知らなくても『モナリザ』の絵を描いた人、と言えばわかるのではないでしょうか… その彼が残した素晴らしい絵画は数が少なく20作品に満たないのですが、全ては美術館所有です。たった一つを除いて…
"Salvatore Mundi " ダ・ヴィンチのキリスト、『救世主』(1504ー1507年頃)と呼ばれる作品です。
この絵の最初の公式記録は、イギリスのチャールズ1世(1600-1649年)のコレクションとしてです。その後遺産相続を繰り返し行方が分からず、20世紀(1958年)のロンドンでイギリスの実業家のコレクションがオークションにかけられた時に、このダ・ヴィンチの絵が出現します。その当時はダ・ヴィンチの作品であるということがはっきりしておらず、45ポンドで競り落とされたとか…
それから約50年後の2005年、アメリカ人の遺産相続の時にオークションにかけられ再びこの絵が現れます。この時にはニューヨークのコレクターが1万ドル(約110万円)で落札しています。これを競り落としたのは2人のコレクターなのですが、彼らはなんとしてもこれがダ・ヴィンチの作品であると証明すべく、この作品をニューヨーク大学教授の Dianne Dwyer Modestini に依頼します。その後6年程かかってこの絵が正真正銘のダ・ヴィンチの作品である事が証明されます。
そして現在のオーナーは…
ロシアの大金持ちDmitry Rybolovlev です。彼はモナコ在住、モナコサッカーチームのオーナーとして有名な人です。彼が買ったお値段は12700万ドルと言われていますから、ザッと計算して日本円だと130億越えですね〜(ビックリ!)
こうして16世紀から21世紀の現代まで、時空を越えて旅を続けた唯一の個人所有ダ・ヴィンチの絵画が、11月15日ニューヨーククリスティーズにてオークションに出品されます! ニューヨーク以外にロンドンでもパブリックヴィーイングが有りましたが、残念な事に私は観ることが出来ませんでした。是非、何時か実物を観てみたいです!